第15回 ギフテッド育児に疲れたら ~自分を優先することも大事~

ギフテッドじゃなくても大変な子育て。それがギフテッドならなおさら!学校へ行きたがらないし、行ったら行ったで先生とモメるわ、ストレス目いっぱい溜めて帰ってくるわ…。家でも自分から宿題はやらないし、つきっきりでやらせようとすると10分で終わることが1時間近くかかったり。挙句、かんしゃくを起こして終わる。もう、かんしゃくを起こしたいのは親のほうです(笑)。きょうだいがいたらギフテッド児ばかりかまっていられませんしね。「自分の時間が欲しい」「1時間でいいから、ひとりカフェでお茶したい」なんて思っても、目の前のことに追われてなかなか叶いません。ままぱんだ(私)もそうでした。しかし、ギフテッド息子が小学1年の冬、ある日の夕方のこと…。

疲れていると子どもに当たりがち

つきっきりで教えているのに、いつまでたっても宿題を終わらせられない息子にキレたままぱんだ。なんと!!彼を突き飛ばしてしまったのです(虐待!)。倒れたときに家具の鋭角な角に頬をぶつけてケガ。それを見てハッとしたのを覚えています。我に返ったままぱんだは、自分がどれだけ疲れていたんだろう、どれだけ子どもに完璧を求めていたんだろう、と反省💦下に幼稚園の娘を抱え、子どものことはすべて自分ひとりで面倒見なければいけない、と思い込んでいました(本当はそんなことないのに)。

また、当時はまだ「息子はギフテッドだろうけど、それでも学校でやることはできるようにしなければ!!」と思っていたのです。そう、ギフテッドについて調べていたのに、心のどこかで「普通であってほしい」と。でも、この一件で「普通」を目指すのはやめました。もう子どもにこんな当たり方をしなくても済むように、毎週末は「ままぱんだのひとりお茶時間」と家族に宣言、カフェで本を読んだりボーっとしたりして、ひとり時間を堪能しました♪それ以来、だいぶ気持ちにゆとりができた気がします。低学年のうちは宿題を見ていましたが、「できるところまででいいよ」というゆる~い感じです。「できるようにしなきゃ!」と思うと、本当にしんどいですから。

オーボエを習い始めたら、こうなった!

月日は流れ、ギフテッド息子も中学生に。やれやれ…と思いましたよ。これで少しは楽になれるかなと。考えてみたら、たしかに「ひとり時間」は堪能してきたけれど、ここまで親として頑張ってきたのだから、次は「趣味です!」と言えるものを始めてみたい。そんなふうに思ったままぱんだが選んだのはオーボエ。なぜにオーボエ!?はい直感です。しいて言うなら音色。あの哀愁漂う音色のとりこになったのです。オーボエ吹きたい!と、もう習うこと前提でオーボエのことを調べ始めました。ギフテッドと同じく、とことん調べましたよ~。世界一難しい木管楽器としてギネスに載っていること(ちなみに金管楽器はホルン)をはじめ、音程が狂いまくる、息が余って苦しくなる、運指が複雑、楽器も複雑、リードの扱いに気を遣う、などなど。これ見ただけでも「わっ、大変な楽器…」と思いますでしょ。ところが、ままぱんだは「できる気しかしない!」という根拠のない自信を持ってレッスンへ。1年後―― そこには練習の合間に『可愛くてごめん』を吹いてるままぱんだがいました。この間、ソロの発表会にも出たし、今度はアンサンブルの発表会。誰がたった1年で吹けるようになると思ったでしょう(少なくとも家族は思ってなかった)??でも事実、1年で吹けるようになったんです。

ここでままぱんだがお伝えしたいのは、根拠のない自信って大事!ということです。特にギフテッドにとっては。学校では、褒められるより苦手なことを指摘されることの多いギフテッド。もう自己肯定感ダダ下がりです。これではできることもできなくなってしまう。そんなとき、「根拠のない自信」は最大の武器となります。「いいな、やってみたい」と思ったとき、何だかわからないけどできる気がしたら、それはもうできたも同然。あとは練習を積み重ねるだけ。1年後にはできるようになっていることでしょう。ままぱんだがいい例です。

Q. どっちがオーボエ?

A. 上がオーボエ。下はクラリネット。見た目は似ていますね。

子どもは意外と「親の背中を見てる」

ままぱんだが趣味としてオーボエを始めてからこれまで、子育てが順調だったわけでは決してありませんでした。中2になったギフテッド息子は、先生の言葉にひどく傷つき不登校に…。半年後の現在は五月雨登校中ですが、先行きは不透明なまま。心配の種が尽きることはありません。それでも、息子は前を向いて歩き始めたなってわかります。これまで何度も人生につまづいたけれど、絶望したこともあったけれど、そしてこの先も順風満帆とはいかないだろうけれど…。

別に、「お母さんだってオーボエの練習頑張ってるんだから、あなたも自分の人生について(今後どうするのか)考えなさい」な~んて言ったわけじゃないですよ。親の言うことなんて基本聞きませんから!!ただ、子どもって言うことは聞かないけれど、ものすごく親のことを見ているなとは思います。怖いぐらいに。そう、部下が上司をよーく観察しているように(笑)。親が親自身の人生を楽しんでいる姿を見て、子どもも考えるところがあったのではないでしょうか。「生きづらさは感じるけれど、人生捨てたもんじゃないな」くらいに思ってもらえれば万々歳です!

親自身が「自分の人生」を生きる

ままぱんだがオーボエを吹いて1年、家族もそれぞれ好きなことをして人生を楽しむようになりました。みんなが好きなこと始めたら家族がバラバラになるんじゃ!?という心配は無用。かえって以前より協力して家事をするようになりました。好きなことをして親自身が「自分の人生」を生きていると、自分も楽しいし、楽しいから気持ちにゆとりもできます(多少イラッとしてもキレずに済みます・笑)。ままぱんだの場合、オーボエは好きで吹いているので練習しなきゃ、とか努力とか思ってません。ただただ好きだから吹いてる。この部分が吹けるようになりたいから繰り返し吹いてる。そんな感じです。好きなことをやってる時間は本当に幸せ(^^♪「子どものため」とか「家族のため」ではない、「自分のため」の人生。子育て真っ最中の時期に始めた趣味のオーボエ。「子育てに集中しないと!」と批判されるかもしれませんが、私はそうは思いません。子育ても仕事も趣味も全部やりたい。欲張りに生きてる今が、これまでの人生の中で一番幸せ!そう胸を張って言えます。

次回(第16回)は、【ギフテッド児と秀才児の違い ~それは深さと激しさ~】です。ギフテッドと秀才って、どこがどんなふうに違うの?気になる両者の違いを深堀りします。お楽しみに!

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ままぱんだ

1981年愛知生まれ。ギフテッドが幸せでいられる方法を模索したいという思いから、このブログを立ち上げました。ギフテッド児を育てる親御さんや、ご自身がギフテッドという方が気軽に相談できるブログを目指しています!
パンダになりたいくらい、パンダが好き。趣味はオーボエ。

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