第12回 なんでそんなに激しいの? ~ギフテッドと過興奮性~

ギフテッドって本当に激しいと感じます。感情はまるでジェットコースターのようだし、髪を切ったら細かい毛が付いただけなのに針で刺されたかのように大騒ぎ。早口だし、しゃべり出したら止まらない。何なら一人でもしゃべってる。極めつけは、炊きたてのごはんじゃないと一切食べられないこと。もうマイ炊飯器買え!って思ったこと数知れず(笑)。 ――幼稚園の頃からこんな感じでした。はい、もちろん今でも変わりません。ギフテッド息子の激しさにままぱんだをはじめ、家族が慣れてしまっただけです。今回は、こんなギフテッドの過興奮性について書いていきたいと思います。

過興奮性(過度激動)ってなに?ギフテッドの特性の根本にあるもの

過興奮性とは何ぞや??過度激動(overexcitabilities:OE)とも言われます。刺激に対して、通常よりずっと強烈に反応することです。この過興奮性、つまり激しさは、ギフテッドのあらゆる特性の根本に流れているものだとドンブロフスキという人(ポーランドの精神科医)は言っています。そして、それを5つの領域に分けています。5つすべての領域で激しさが見られる人もいれば、1つか2つの限られた領域で見られる人もいるとのこと。それでは、さっそく紹介していきますね♪

5つの過興奮性

知的過興奮性

知的過興奮性のサインとなるものには、好奇心、鋭い質問、集中力、問題解決力、論理的思考などがある。途方もなく活発な知力をもち知識の習得に貪欲で理解や真実を追究し、問題解決に向けて努力を惜しまない。子どもの頃は本をむさぼるように読み、成人後も熱心な読書家となる。

想像の過興奮性

想像の過興奮性のあるギフテッドは、複雑な構想を思い描くのが好きである。聡明で創造性あふれる子どもにとって、以下のことはとても魅力的だ。豊かなイマジネーション、空想遊び、想像上の友だち、アニミズム思想(自然界のすべての事物や現象には霊魂が存在する、とする原始的宗教信仰)、白昼夢、ドラマチックな感じ方、メタファー(隠喩;「~のようだ」とは言わない例え)を用いること。

感情の過興奮性

感情の過興奮性は極端で複雑な感情や強烈な感覚を伴い、親がまず気づくことが多い。これがあるギフテッドは、他者の幸福を過剰に心配し、周囲の環境に対する関心(や反応)が強い。人、場所、物に強い感情を伴う愛着を抱くため、大げさだと批判されることも多い。

感覚の過興奮性

感覚の過興奮性のある子どもにとって、日々の生活での感覚――見る、嗅ぐ、味わう、触れる、聞く――は、他の子どもたちよりもずっと増幅されたものとなる。音楽、言語、食に対するずば抜けた敏感さから大きな喜びを得られることもある一方で、これが原因でフラストレーションも生じうる。襟ぐりにあるタグを嫌がったり、縫い目のある靴下を断固拒否したり。

精神運動の過興奮性

精神運動の過興奮性のある子どもは、非常に「活発でエネルギッシュ」である。動くこと自体が大好きでエネルギーが有り余っている。このエネルギーは、早口、燃え上がるほどの熱中、猛烈な身体活動、とにかく動きたいという欲求として現れる。

出典:「わが子がギフテッドかもしれないと思ったら」 ジェームス・T・ウェブ、ジャネット・L・ゴア、エドワード・R・アメンド、アーリーン・R・デヴリーズ 著 角谷詩織 訳 春秋社 2020年 p.40,46~51

日常生活で困ること&対処法

ギフテッド息子の場合、「想像の過興奮性」以外はあるかなという感じです。何でも知りたがるし(そしてとことん調べる)、大げさなくらい喜んだかと思えば何気ないひと言に深く傷つく。特に、傷つけられたことはいつまで経っても忘れません(根に持ちます…)。本人も忘れたくても忘れられないことに苦しみます。これはもうどうしようもありません。嫌な記憶を消すことができたらどれだけ楽か、と見ていて思うほどです。

思えば、髪のカットは一大イベントだったし(笑)、白いご飯を食べさせるために炊飯器に残っているご飯を冷凍してまで新たに炊いたりしていました。今、どう対処しているかといえば…。中学生なのでもう放置です。さすがに自分で考えてやっている様子。炊きたてのご飯が食べたければ自分でセットしてますしね。でも、小学校低学年までは、髪カット後はすぐに帰宅してお風呂へ直行、ご飯は面倒ですが炊きたてを食べさせていました。感情の激しさは今も変わらず厄介です。興奮しているときは何を言っても火に油なので、これまた放置。まあ聞いているだけでこちらもイライラMAXですが💦そこはもう聞き流してます。

次回(第13回)は、【ギフテッドってどうやって気づいた? ~それは衝撃のひと言から始まった~】です。「自分がどこにいるか、わからなくなるときがある」という衝撃の告白から始まった苦悩の日々。それは「普通に育てる」ことを考え直した日々でもありました。ままぱんだは子どもがギフテッドだと、どうやって気づいたのか?その経緯を書いていきます。お楽しみに!

ギフテッドに関するご相談、受付中(無料です)!一番下までスクロールしていただき、右下の「お問い合わせ」からお願いします。お待ちしております♪

ままぱんだ

1981年愛知生まれ。ギフテッドが幸せでいられる方法を模索したいという思いから、このブログを立ち上げました。ギフテッド児を育てる親御さんや、ご自身がギフテッドという方が気軽に相談できるブログを目指しています!
パンダになりたいくらい、パンダが好き。趣味はオーボエ。

ままぱんだをフォローする
ギフテッド
ままぱんだをフォローする
タイトルとURLをコピーしました